他人名義のクレジットカード情報を使って、スマートフォン決済サービス「d払い」で家電を購入したなどとして、愛知県警は11日、名古屋市天白区、古物商梅本直弥容疑者(34)ら3人を詐欺などの疑いで逮捕し、発表した。
ほかに逮捕されたのは、ともに名古屋市千種区の無職古屋十兵容疑者(27)と冨田翔容疑者(24)。梅本容疑者は「弁護士に相談してから話す」と認否を留保し、ほかの2人は容疑を認めているという。
サイバー犯罪対策課によると、梅本、古屋両容疑者は昨年1月と2月、不正に入手した他人のカード情報をひもづけた「d払い」を使用し、県内の家電量販店でノートパソコンなど計約190万円分をだまし取った疑いがある。
また梅本容疑者は昨年9月、ネットショッピングに必要な他人名義のIDとパスワードを古屋容疑者に提供し、2人はそれを保管するなどした疑いがある。
同課によると、購入した家電は転売されていた。決済額が高額でカード利用が制限されると、冨田容疑者が水道局職員などをかたってカード名義人に電話をかけ、制限解除に必要な個人情報を入手。利用制限があるときはバッグやスニーカーなど比較的安価な商品をネットで購入し転売していたとみられる。
県警の捜査では、梅本容疑者が詐欺グループの主犯格で、古屋、冨田両容疑者を介し、家電を購入し買い取り業者に持ち込んで転売する「買い子役」や、ネットで購入した商品を受け取る「荷受け役」を募集。買い子役と荷受け役の男女10人が検挙された。被害額は4千万円以上という。
悪用されたカード情報は主に、大手宅配業者などをかたって「不在で荷物を持ち帰りました」などとショートメッセージを送るなどして情報を盗み出す「フィッシング」の手口で盗み出されていたという。
サイバー犯罪対策課によると、フィッシングに関する相談は愛知県内で増加。大手宅配業者や通信業者をかたり、「不在のため荷物を持ち帰りました。ご確認ください」などの内容がスマートフォンなどに送られてくる。業者をかたった偽のサイトに誘導され、クレジットカードなど個人情報の入力を求められるという。大手通販業者をかたり、「会員情報の更新が必要」などとして個人情報の入力を求める手口もある。
サイバー犯罪対策課によると、県内では昨年、フィッシングに関する相談は3771件(11月時点)寄せられた。前年よりも約1千件増えている。県警は、不審なメッセージやメールに注意を呼びかけている。(高絢実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル