根津弥
車同士の衝突事故で相手にけがを負わせたとして自動車運転死傷処罰法違反罪(過失運転致傷)に問われ、罰金刑が確定した仙台市の40代の会社員男性について、仙台区検は21日、無罪とすべき明らかな証拠が見つかったとして、仙台簡裁に再審請求した。検察による再審請求は異例。相手の車が保険金をだまし取るため、わざと衝突したことが判明したという。
区検によると、事故は2019年4月15日、仙台市泉区の丁字路で起きた。男性の乗用車が右折しようとしたところ、直進してきた30代の男の乗用車と衝突し、乗っていた7人がけがをした。区検は同年7月に男性を略式起訴し、罰金50万円の略式命令が確定した。
だが、その後の捜査でけがをした男らが何度も事故を装って保険金を請求していたことが判明。21年以降、男ら10人を起訴し、うち9人の有罪判決が確定した。主犯格とされる男(47)は一審で実刑判決を受けて控訴し、無罪を訴えている。
仙台地検の平野達也次席検事は「本件を踏まえ、(今後の捜査では)引き続き証拠を精査したうえで適切に検察権を行使したい」としている。
最高裁によると、21年に再審請求がなされたのは214人。うち検察官による再審請求は1人だけだった。(根津弥)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル