20日午後6時9分ごろ、宮城県沖を震源とする地震があり、同県で最大震度5強を観測したほか、東北や関東甲信など広い範囲で揺れた。気象庁は午後6時11分、宮城県に津波注意報を発表したが到達はなく、午後7時半に解除した。東北太平洋側では若干の海面変動があっても被害が出る心配はないとした。
この地震の震源の深さは59キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・9と推定される。気象庁は、今年2月に福島と宮城の両県で震度6強を観測した地震に続き、2011年3月の東日本大震災を引き起こした地震の余震と考えられるとした。気象庁は「1週間程度は同程度の強さの地震に注意が必要」と呼びかけている。また、東北では21日に大雨が予想され、土砂災害への警戒も必要という。
震度5強を観測したのは仙台市宮城野区、宮城県石巻市、岩沼市、登米市、東松島市、大崎市、蔵王町、松島町、涌谷町、美里町。そのほか、震度5弱を仙台市青葉区と宮城県気仙沼市、岩手県大船渡市、福島県相馬市などで観測した。
この地震を受け、政府は首相官邸の危機管理センター内に情報連絡室を設置した。原子力規制委員会によると、震源から最も近い東北電力女川原発(宮城県)に異常はないという。東京電力の福島第一原発と福島第二原発でも、異常は確認されていない。
JR東日本によると、東北新幹線は同日午後8時現在、東京―盛岡間の上下線で運転を見合わせている。乗客にけが人は確認されていない。山形新幹線も上下線で運転を見合わせており、秋田新幹線は上り線で一時運転を見合わせた。
仙台市交通局によると、市地下鉄の南北線と東西線で列車の運転を見合わせた。21日朝に再開の判断をするという。
総務省消防庁によると、宮城県内では仙台市などで7人、岩手県では1人がけがをした。重傷者は確認されていないという。宮城県石巻市では工場火災も発生した。栗原市では一時約200戸が停電するなどした。
宮城県女川町は震度4だった。東北電力女川原子力発電所(女川町、石巻市)1~3号機について、東北電力広報は午後6時50分現在で「電源も確保されており、原発に異常は確認されていない」としている。
東北電力ネットワークによると、20日午後6時10分時点で、宮城県栗原市で約200戸が停電している。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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