東京電力福島第一原発事故で故郷を失い、精神的苦痛を強いられたとして、福島県川俣町山木屋地区の82世帯323人が東電に損害賠償を求めた集団訴訟の判決が14日、仙台高裁であった。瀬戸口壮夫裁判長は、一審・福島地裁いわき支部判決より約5億円増額し、原告299人に計約10億9891万円の支払いを命じた。
瀬戸口裁判長は「対策を講じないまま漫然と原発を運営していたのであれば、事故は人災ではないかという思いが捨てがたいものとなり、被災者らに重大な精神的苦痛を発生させた」と述べた。
判決によると、東電は2002年に公表された国の地震予測「長期評価」に基づいた津波試算の着手を先送りし、08年に原発敷地を15・7メートル上回るとする試算が出されても具体的な対策を講じてこなかったと認定。瀬戸口裁判長は「08年試算を受けて、水密化などの対策を講じていれば事故の発生自体は防げなかったとしても、規模はかなり異なるものになっていた可能性は否定しがたい」とした。
賠償額について判決は、山木…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル