能登半島地震で大きな住宅被害が出た石川県で、応急仮設住宅(建設型)のこれまでの入居申請が少なくとも約8300件に上ることがわかった。重複やキャンセルも多く実際の入居希望はもっと少ないとみられるが、3月末の完成戸数は約1600戸で需要に追いつかない状況が続く。安定した住まいの確保が困難で、生活再建や復興に向けた課題になっている。
県が応急仮設住宅の建設を進める8市町で、3月下旬に申請状況などを取材した。各市町が精査中で集計方法に違いがあるが、申請数は単純合計で8293件。輪島市4140件▽珠洲市1962件▽能登町613件▽七尾市611件▽穴水町482件▽志賀町335件▽内灘町87件▽羽咋市63件だった。
輪島市や珠洲市は、入居資格を満たさない申請や重複した申請なども含む延べ数だとして、実際に必要な戸数は輪島が3200戸程度、珠洲が千数百戸程度とみている。
県によると、仮設住宅は3月28日時点で5086戸を着工。担当者は、すでに完成した988戸を含めて、目標とする1600戸が年度内に完成すると説明した。馳浩知事は、8月末までには希望者全員が希望するタイプの仮設住宅に入居できるようにしたいとしている。
石川県内では約8400棟が全壊するなど7万5千棟を超す住宅被害があった。3月29日時点で少なくとも約8100人が避難生活を送っている。(野平悠一、宮坂知樹、河原田慎一)
避難所、車中泊、親類宅をさまよい
「見捨てられた思いでした」。石川県穴水町の香川法昭さん(73)は、落ち着ける住まいがないままさまよった約3カ月を、そう振り返った。
地震で自宅は全壊。心臓やひ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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