佐賀県鹿島市の市立中学校の改築に伴う仮設校舎設置を巡り、市が受けた総務省の交付金5567万円について会計検査院が「不当」と指摘し、全額返還するよう市に求めていることが7日、関係者への取材で分かった。市や総務省は交付金の対象になると判断したが、会計検査院は「資産として残らない仮設校舎は対象外」とした。市は仮設校舎設置分の交付金を全額返還する方針。
市などによると、市は2013、14年度、市立中学校校舎を改築し、工事期間中に授業を行う仮校舎の設置を計画。市は県を通じて、校舎改築と仮校舎設置の2事業について「校舎改築事業」として交付金受給を総務省に申請。交付金計約2億2138万円を受け取った。
14年度に校舎改築を終えると、市は業者からのリースで設置していた仮設校舎を撤去した。検査院は現地調査で建造物が残っていないことを確認し、資産が残る建設事業を対象とする交付金制度に反すると判断。「市は制度の認識が不十分で、総務省と県は形式的に計画を審査した責任がある」とした。
市は「校舎改築と一体という認識で計画を進め、交付金の対象になると思っていた」と説明。交付金を返還するため、20年3月定例市議会に補正予算案を提出する方針。
総務省は「校舎改築事業として申請があり、リース契約など詳細な内容まで見抜くのは難しい。制度の周知が足りず、結果的に残念だ」としている。 (河野潤一郎)
西日本新聞社
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