文・西江拓矢、写真・小川智
天井に縁起物が描かれているのは聖域へと向かうケーブルカー。山深い標高530メートル余りにある駅は俗世と聖域の境界線だ。
電車は、市街地から緑深い山の中へと進んでいく。ふもとの南海電鉄橋本駅(和歌山県橋本市)から約20キロ。24のトンネルを抜け、急勾配を上り、標高535メートルにある極楽橋駅(同県高野町)へ到着した。周りは緑と清流。電車から降りると、ホームを涼やかな風が抜けていく。
駅に入り上を見ると、天井絵巻が目に飛び込む。スイレンやシャクナゲ、梅、鶴。そして、ひときわ色鮮やかな鳥。極楽鳥だ。高野山ゆかりの動植物や縁起物など50種類の絵が描かれているという。白と黒の犬は、弘法大師を高野山に導いたとされる。よく見ると、カマキリやカエル、カニもいて楽しい。乗客たちも足を止め、スマートフォンを構えていた。
駅のリニューアルオープンは昨夏。近くにあり、駅名の由来となった極楽橋が、俗世と聖域を分ける境界との言い伝えがあることにちなみ、電車側を俗世、乗り換えのケーブルカー側を聖域に見立てた。コンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」で、「SNS映え」する空間に。シンボルの極楽鳥も随所に登場する。
記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。
寺院が立ち並ぶ高野山中心部…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment