私の視点 仲岡しゅん弁護士
トランスジェンダーに対する差別や偏見をあおる動きは、ここ数年の間に急速に広まっている。トランス差別をあおる団体は複数存在しており、積極的にロビイング活動を行うなど、政治やマスメディアに対しても徐々に影響を及ぼし始めている。
そうした団体の主な主張の一つは、トランスジェンダーなどという存在を認めると、女性用のトイレや浴場などに、「自分は女だ」とかたった犯罪目的の男性が入れるようになってしまう、というものだ。
たしかに、そうした場に悪意ある男性が入ってくるというのは、少なからずの女性からすれば懸念を抱かざるを得ない事態だろう。これは、トランスジェンダーの実情を知らない人たちからすると一定の説得力があるらしく、インターネット上でこうした投稿があふれかえり、トランスジェンダー脅威論とも言うべき差別扇動が繰り広げられている。
しかし、冷静になっていただきたい。ある男性が、「自分は女だ」と言いさえすれば、直ちにあらゆる女性用の場を使えるかのような想定が、そもそも日本の法律実務からすれば荒唐無稽なものでしかない。
トランスジェンダーの「トラ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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