映画監督やエッセイストなど幅広い分野で活躍した故・伊丹十三さんを顕彰して創設された「伊丹十三賞」の第12回受賞者に、脚本家の宮藤官九郎さん(49)が決まった。主催のITM伊丹記念財団(松山市)が30日、発表した。昨年放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」で、「チャレンジングな脚本によりテレビドラマの可能性を広げた」と評価された。
宮藤さんは宮城県出身。劇団「大人計画」に参加し、舞台「鈍獣」で岸田国士戯曲賞を受賞した。ドラマ「タイガー&ドラゴン」や「あまちゃん」など話題作の脚本を手がけたほか、映画監督や俳優としても活躍している。
宮藤さんは「オリジナリティの塊のような孤高の映画作家、伊丹十三氏のお名前を冠した賞を、『いだてん』で受賞できて、こんなにうれしいことはありません。大河ドラマという枠だからこそ出来たチャレンジでした。スポーツ史、戦争、東京の街の変遷を、膨大な資料と格闘しながら、オリムピック噺という形で構成する作業は、脚本家としての集大成でもあったと思います。それを具現化する全キャスト全スタッフの努力が、正当に評価されたことが何よりうれしいです」とコメントしている。(寺田実穂子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル