今年で開港80周年を迎えた伊丹空港で、周辺に住む子供たちを招待した遊覧飛行「JALこども体験飛行」が11月30日に開かれた。空港を運営する関西エアポート(KAP)と日本航空(JAL/JL、9201)、JALグループで伊丹を拠点に地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)の3社共催で、飛行ルート上の関西空港では、滑走路上を低空で通過する「ローパス」も行われた。
伊丹空港の正式名称は大阪国際空港で、1939年1月17日に開港。7月3日早朝には、開港以来初めて運用開始前の滑走路を一般開放し、ランウェイウォークを開港80周年イベントとして実施した。今回のフライトも80周年の一環で、大阪国際空港周辺都市対策協議会を構成する10市(伊丹、豊中、池田、川西、吹田、尼崎、西宮、箕面、芦屋、宝塚)に住む小学生と保護者を対象に参加者を募った。
フライトは午前と午後の2回実施。1回あたり定員35組70人に対して約2000組の応募があった。便名は80周年にちなみ、午前10時出発がJL8001便、正午発がJL8002便と名付けられ、子供たちは約1時間半のフライトを楽しんだ。
飛行ルートは、伊丹を出発後は神戸空港上空、姫路、徳島、淡路島、関空、和歌山、大阪と巡り、伊丹へ戻った。関空では、高度60メートルの低空飛行で、B滑走路上を240キロの速さで通過した。参加者たちは配られた地図でルートを確認したり、スマートフォンで景色を撮って楽しんでいた。
操縦はジェイエアの長谷川涼子機長と新井健友副操縦士が、客室は内村智菜美さんら2人の客室乗務員が担当。また、客室後方には、ルートの案内役として副操縦士の福井竜太さんが搭乗し、速度や高度とともに窓からの眺めを解説していた。「客室からアナウンスしたのは初めてです。後ろの方は揺れますね」と、コックピットでのアナウンスとの違いを話した。
フライト後は伊丹空港内の会議室で航空教室やクイズ大会が開かれ、関西3空港のマスコットキャラクター「そらやん」も駆けつけた。そらやんは、空港民営化前の2014年に伊丹開港75周年を記念して誕生。2018年4月からは、伊丹と関空、神戸の関西3空港のキャラクターを務めている。
ランウェイウォークと体験飛行の仕掛け人は、KAPの伊丹空港本部長を務める北山博常務で、自他共に認める飛行機好き。地元の子供や住人に飛行機を好きになって欲しいという思いで企画したもので、「空港は地域と共存共栄」と話す北山常務は、参加した子供たちの様子を見て満足げだった。
Tadayuki YOSHIKAWA
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース