聞き手・田中聡子
25歳から7年もの時間を、伊藤詩織さんは闘いに費やしてきました。「性被害者」というまなざしを向けられながら。どんな覚悟で踏みだし、何が起き、「自分」をどう生き直そうとしているのか。昨夏の勝訴判決の確定で一つの区切りを迎えた今、聞きました。
いとう・しおり 2017年、元TBS記者から受けた性暴力を告発。昨年7月、最高裁で性暴力を認める判決が確定。20年に米TIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出。著書に「裸で泳ぐ」「Black Box」。
――これまで覚悟の連続だったのではないですか。
「他者から見ると、私のしたことは『覚悟』に見えたかもしれません。警察に行く、被害を告白する、記者会見する――。節目節目での決断はありました。ですが、それぞれの行動に踏み出したのは、その時々で自然な流れでもありました。あれもだめ、これもだめ、じゃあ次はこれをやってみよう、と」
「そして行動に移した後は、ものすごく消耗するし、思いもよらない目にも遭いました。それも覚悟していたかと問われれば、想像以上のことが起こったというのが事実です」
――覚悟していた以上のことが待っていたのですね。
「私自身は会見で性被害を告…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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