東京都の小池百合子知事は5月1日の定例記者会見で、都内の学校の休校期間について、近く政府が延長する緊急事態宣言の延長期間を鑑みて判断する見通しを示した。
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学校の休校をめぐっては、愛知県と埼玉県などがすでに5月末まで延長する方針を示している。都教育委員会は都立学校について、ゴールデンウィーク開けの5月8日まで休校する方針を示している。
都内の区市町村の学校でも同様の対応をとるところが多いが、今後の休校延長・学校再開については「近々発表されます(緊急事態)宣言の期間延長がどのくらいになるのか。それを見据えながら決めていくことになろうかと考えている」と述べるにとどめ、現時点での具体的な判断指標などは明らかにしなかった。
「9月入学」論じわりアピール
一方で小池知事は、休校が続く中で学校の始業・入学の時期を9月に移行する考えに賛同する姿勢を示している。
29日の全国知事会では、西欧中世社会でペストが発生した後に「社会変革そのものの『ルネサンス』が残った」とし、「グローバルスタンダードで、留学生も来やすくなる」と述べていた。
自身のTwitterでも「コロナ封じ込めが最優先」としつつ。「ペスト後にルネサンスが残ったこと同様、新型コロナから何を社会変革の成果として残せるか」と持論を表明している。
ただ、新型コロナウイルス感染症の見通しが不明の中、リモートによる教育環境は十分に整備されていない。オンライン教育格差も広がっている。
仮に9月入学が導入された場合、現場では数年間にわたり4月入学組と9月入学組の2つのカリキュラムが走る可能性がある。教員や学生、保護者の負担は大きい。
政府や自治体の会計年度や企業等の採用スケジュールも、毎年4月を年度はじめとする設計になっている。
新型コロナウイルスに伴う混乱がしばらく続くことが必至な中、こうした制度の大きな変革に日本社会が耐えうるのか、懸念がある。
都医師会「安心して自粛できる対策を」
東京都医師会の尾﨑治夫会長は4月30日の記者会見で、「(緊急事態宣言は)全国レベルで延長すると確信している」と指摘。
一方で、外出自粛の目標である「8割」には到達していないとして「政府には国民が安心して自粛ができるような休業補償の対策を強化してほしい」「国民の皆さんには自粛を徹底してほしい」と述べた。
緊急事態宣言の解除目安については「(1日あたりの感染者数が)2桁台の50を割る。限りなく10に近づくようにできれば」との見解を示した。
安倍晋三首相は5月6日に期限を迎える緊急事態宣言について、延長する方針を明らかにしている。与党関係者によると、対象地域は「全国」のまま据え置き、延長期間は1カ月程度で調整。4日にも延長が正式決定される見通しだ。
緊急事態宣言の発出(4月7日)以降、東京都の1日あたりの新型コロナウイルス感染者数は増加傾向だったが、4月26日は72人、29日は47人、30日は46人と減少傾向にある。
ゴールデンウィークの大型連休期間に突入したこともあり、都は「ステイホーム週間」として、外出を控えるよう警戒を呼びかけている。
(文、写真・吉川慧)
吉川慧
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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