「新型コロナウイルスの感染者が増えていく中で、思い切って休校にした方がいいとは思っていました。だけど、まさか学童だけ開けるなんて思いも寄らなかったので、市長が発表したときは、後のいろんなことを考えて放心状態でした」
【全画像をみる】休校対応丸投げ、学童職員の悲鳴「1日11時間勤務、もう限界」。新型ウイルス対応で
福岡市の学童保育「留守家庭子ども会」で主任支援員を務めるコイケさん(60代)は悲痛な思いを吐き出した。同市は2月28日、市内の小中高、特別支援学校を3月2日から一斉休校すると同時に、共働き世帯のために学童保育を朝から開所し、利用要件を緩和してこれまで通っていなかった子どもも受け入れると発表した。
準備期間は土、日の2日間。週末出勤に加えて1日預かりが始まる3月2日以降は11時間勤務が続く。さらには小池さんと業務を分担するもう1人の主任支援員が体調を崩し、1週間休んでいる。代替スタッフはまだ来ない。60代の嘱託職員のコイケさんは、2月25日から10日間、休みが取れていない。
ファックスの指示に振り回され
コイケさんによると2月28日、福岡市が3月2日からの休校と学童保育の朝開所を発表した後、新たに利用を希望する児童の受け付けのため、土日の出勤を求めるファックスが市から送られてきた。
29日土曜日、夕方5時まで受け付けをしながら3月のシフトを作り直した。
そして翌3月1日日曜、市から「クラスの少人数化と教員の積極的な応援の要請を検討しているので、結論が出るまで待機してほしい」とファックスで待機を要請され、その後「1クラスを30人以下にするように」と指示があった。小池さんは夕方までかかって預かる児童を3クラスから4クラスに編成しなおし、シフトも作り直すことになった。
休校の対応は自治体によって違い、同じ福岡県でも北九州市は、2~6日の午前中は親が面倒を見られない低学年の児童については学校で預かり、久留米市は3月9日からの休校とした。
小池さんは、「北九州市のように、午前中だけでも学校が対応してくれたら随分違うのですが、福岡市は学童に丸投げでした」とこぼした。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース