新型コロナウイルス感染拡大による昨年の全国的な臨時休校は、経済的に余裕のない世帯に特に大きな影響を及ぼした。家庭環境によって生まれた学びへのアクセスの差は、1年以上が経った今も色濃く残っている。関東地方に住む3人の子どもを育てるシングルマザーの女性(51)のケースを取材した。
女性が最近気がかりなのは、小6の長男(12)の成績だ。学校から返ってくるテストには「0点」の文字。「もともと成績はいい方ではないけど、明らかに学力が低下している」
休校になった昨春、女性は、持病のために働けなくなったばかりだった。給食がないことで食費がかさみ、ネットで支援団体を探して物資を送ってもらった。家計のことが心配で、子どもたちの勉強をみる余裕などなかった。
もともとあまり家で勉強をする習慣のなかった長男は、宿題のプリントを30分ほどで終えると、あとはゲームに熱中していた。
学校が再開すると、休校の遅れを取り戻すためか、授業のスピードが上がった。長男は授業についていくのに苦労していた。
家では、宿題を終えるとすぐにゲームを始め、寝るまで離さない。
「依存症みたいになってるよ」
女性が声をかけても耳を貸さ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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