TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月7日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、キャスターでジャーナリストの岸田雪子さんが、休校の長期化に伴う子どもたちへの懸念点について、見解を述べました。
◆休校長期化で子どものストレスが増加!?
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新学期からも休校が続く地域の子どもたちの抱えるストレスが「大きくなる」と専門家の間で問題視されています。
小中高校などが全国一斉休校となった3月、子どもの支援を専門とする国際NGO団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」は小学生以上の子どもたちを対象にアンケートを実施。広報担当者によると「予想以上に多くの声が届き、大人社会が取り組まなければならない課題だ」と危機感を露わにしています。
岸田さんは、休校の長期化が子供たちに及ぼす心配事は2つあると言います。
1つは心の問題。「4月以降の長期化は、3月までの休校とは全く違う次元。大人の注意が必要な時期」と指摘。「新しい学年が始まると思っていたところで(出鼻を)くじかれてしまい、不安感が大きいのでそこをケアしていただきたい」と話します。
ケアをする際には、「子どもたちは時間の感覚が未発達な場合が多いので、時間感覚を教えてあげること。そして、(休校によって)空白ができた時間に対しても、自分の役割を与えてあげることが効果的」と岸田さん。
小学2年生以上であれば一度は夏休みを経験しているため、「夏休みくらいの時間が早めにきたよ」と伝えてあげることで、子どもたちは“あのくらいの時間なのか”とイメージしやすくなるそう。そして、この期間を活用して「自由研究」などを持ちかけると「ちょっとしたスモールステップの目標が持てる」とも。
また、新学年を楽しみにしていた子どもたちへのケアとして「例えば、中学校に入るお子さんであれば新しい制服を一度着てみるとか、おうちでちょっとした入学式をやってあげるとか、新学期気分を味わわせてあげるだけでも意味がある」と岸田さん。さらには「ゴミ出しやペットの世話など、何か家事を任せたり、役割を与えてあげたりするのも大切。そして、『ありがとう』と言ってあげるだけでも達成感につながる」と提言します。
岸田さんが、休校中の子どもたちにかけてあげるべき言葉として挙げたのは「あなたが家にいることで、自分自身だけでなく家族や周りの誰かの命を守っている」ということ。逆に避けるべきは、「家にずっと居られるのは大変」という言葉。「つい言いがちなんですけど、子どもは“迷惑をかけているな”という気持ちになりやすい。『それはあなたのせいではない、一緒に居られるのが嬉しい』と伝えてほしい」と呼びかけます。
◆学力格差を防ぐためにもオンライン学習を!
そして、休校長期化に伴う2つ目の不安は「学力格差」。岸田さんは「子どもたちと言うよりも、保護者の皆さんの心配を防ぐという意味でも、ぜひオンライン学習を進めてほしい」と声を大にします。その理由として、教育用PC1台当たりの生徒数の現状(2019年度は5.4人)に触れ、「世界のなかで見ても、日本はかなり遅れている」と指摘。
政府は「GIGAスクール構想」を掲げ、2023年度までに小中学生1人1台パソコンがいきわたるようICT教育を推進しているものの、「うまく進んでいないのが現状。(この取り組みを)前倒ししようと都道府県に補助金支援をしているので、都道府県知事がこれにどこまでやる気を出せるかにかかっている」と岸田さん。休校中、授業動画配信など家庭のパソコンを活用した学習の必要性に加え、パソコンがない家庭については「貸し出しは、都道府県もしくは市町村の自治体レベルでしかできないので、ここにどれだけ人と予算を充てられるかというところにも力を注いでほしい」と話していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース