新型コロナウイルスの感染防止のため、千葉県内で休業要請が続く中、県は4日、一度は要請に応じて休業したが、最近になって営業を再開したパチンコ店1店があることを発表した。特別措置法に基づき、東金市のこのパチンコ店名を公表した。休業から一転営業を始めて公表された店は、県内で初めて。
県によると、このパチンコ店は4月14日からの休業要請を受けて同27日から休んでいたが、今月2日に再開した。県は店名を公表することを同日に事前通知したが、店側からは「経営者の判断で、店を休めない」などと回答があり、理解を得られていないという。
同店の駐車場には4日正午すぎ、200台近くの車が止まっていた。
店から出てきた東金市内に住む自営業男性(59)は「市内外から人が集まって感染が広まる心配はあるが、開店していたら来てしまう。みんなマスクしているし大丈夫では」と話す。
インターネットで開店中の店を探して来店したという八街市の40代製造業の男性は「店内は3密状態だった。せっかく来たが心配になって、2時間くらいで出てきた」。
数年前から同店で働く男性従業員は「休みが続く分、売り上げが落ち、給料が下がる。生活に困るし、再開されて正直助かる」とマスクをしながら話した。
地元住民は営業再開を心配する。歩いて店の様子を見に来た女性は「足立や横浜といった県外ナンバーの車もあって不安。開店すれば客は集まる。とにかく営業を控えてほしい」と不安そうに答えた。
国の緊急事態宣言を受けて、県はパチンコ店を含む遊技場や遊興施設に休業要請し、要請に応じない3店を1日に公表した。その後、要請に応じた1店を除く2店に3日、休業指示を出したばかり。県によると、2店は4日現在、営業を続けているという。
一方、緊急事態宣言の延長や国の新たな基本的対処方針が4日に示され、森田健作知事は「皆さんのご協力で感染者数の増加が抑えられつつあることに感謝します。専門家の意見を伺った上で5日、対策本部会議を開いて県としての対応を公表します」との談話を出した。(佐藤瑞季、上田雅文)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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