伯父から借金を相続した父が承認も放棄もせずに死亡し、子どもである自分が知らない間に借金の「二次相続人」になっていた――。こんな場合、相続を放棄できる期限となる「3カ月」の起算点が争われた訴訟の判決が9日、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)であった。明治時代から「親の死亡時」が有力な解釈だったが、判決はこれを否定し、「相続の事実を知った時」という新しい判断を示した。
社会の高齢化が進む一方、核家族化などで親族のつながりが薄れていることもあり、相続放棄の申し立ては増えている。今回の判決は、最高裁が救済の方向性を示した形となった。
訴訟で原告となった新潟県内の女性は、伯父が借金を抱えたまま2012年に死亡し、相続をした父も承認・放棄をしないままに死亡したため、借金が「再転相続」された。
女性は、債権回収会社から通知…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル