住む場所は更生への第一歩 罪を犯した人を受け入れる自立準備ホーム

 風呂があるワンルームの部屋は心から安心できた。

 体は男性として生まれたが幼いころから自分の性に違和感を抱いてきたトランス女性(61)。2020年9月に、東京都内にある特定NPO法人「自立支援センターみんなの家」が運営する自立準備ホームに入った。「お風呂がついていて、本当にありがたかった」

 大学生のときにカミングアウトして水商売の世界に。覚醒剤で39歳以降に4回逮捕され3回刑務所に収監された。刑務所では独居房だったので問題はなかったが、3回目の出所時に身元を引き受けてもらった更生保護施設は集団生活だった。ほかの男性と4人部屋で、風呂も一緒に入らざるを得なかった。「つらいけど、仕方なかった」

 刑務所を出ても住むところがなければ、再犯する確率は高くなります。再犯があれば被害が生まれます。それを防ぐため、行き場のない人たちを支えようと奮闘する各地の自立準備ホームを訪ねました。その3回目です。

 仮釈放期間が満了し、保護施設から出ていくよう言われた。水商売で働いていて収入はあったが、発達障害があり、同時に二つのことができない。部屋探しが進まず、困っていたところをみんなの家に受け入れてもらった。更生緊急保護を申請し、3カ月世話になった。

 保護委託が切れた後は、自分…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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