比嘉展玖、遠藤美波、岩田恵実
東京都東村山市の閑静な住宅街で9日未明に発生した火災。火はあっという間に住宅をのみ込み、この家に住む4人が命を落とした。周辺住民は動揺を隠せずにいる。
東村山署などによると、火災があったのは、同市多摩湖町1丁目の酒井巌さん(65)方。2階建て住宅約80平方メートルが全焼し、酒井さんのほか同居の妻(64)と36歳と26歳の息子2人の計4人が死亡した。
署は焼け方が激しい1階洋室を火元とみているが、亡くなった4人はいずれも2階和室で見つかった。「最初は1階から火が出ていたが、消防車が集まりだしたころには1階と2階から赤い炎が吹き出ていた」。近くに住む男性(80)は出火当時をそう振り返り、火の回りの早さに驚いた様子だった。
周辺住民らによると、酒井さんは元新聞配達員。酒井さんと約10年間一緒に仕事をしていた70代男性は、酒井さんについて「同僚らから慕われ、配達先からの評判も良かった」と話す。しかし足が悪くなり、2020年秋に退職。男性は「退職後、どう過ごしているのか心配していた。まさか火災で亡くなるとは。ショックで信じられない」と話した。(比嘉展玖、遠藤美波、岩田恵実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル