住民の6割が鉄道を使わない県 自転車持ち込みを解禁したら

 群馬に赴任したばかりの4月。前橋と桐生を結ぶ上毛電鉄に乗っていると、客が自転車を押しながら車内に入ってきた。驚きのあまり、「群馬 電車に自転車」とスマートフォンで検索すると、同社は無料で自転車を持ち込める「サイクルトレイン」を走らせているらしい。不思議な光景が忘れられず、取材してみた。

 前橋市の繁華街そばにある上毛電鉄・中央前橋駅。平日の夕方、3人の若者が自転車を押しながら改札を通り抜け、電車に乗ってきた。3人は両手で自転車を支えながら、座席に座り、電車の出発を待っている。

 聞けば、同駅から約2キロ離れた市内のショッピングセンターで遊んできた帰り道だという。そのうちの1人、前橋市の会社員三好亘さん(20)は「家から自転車をこぎ、そのまま遠くの目的地に到着している感覚です」と話す。小さい頃からよく、自転車で上毛電鉄を利用してきたという。「車内が混雑していることはないので、危険を感じたことはない。行動範囲が広がってありがたい」

 また1人、自転車を押した客が乗ってきた。

 桐生市の自宅に帰宅途中の影山順一さん(63)。姉の仕事を手伝うため、同駅から6キロほど離れた整骨院まで自転車で通っている。

 自宅から整骨院までは車で1時間ほどだ。だが車で通勤した時は渋滞に巻き込まれ、到着時間が読みにくく、ストレスを感じた。「自転車は良い気分転換にもなる。上毛電鉄に『サイクルトレイン』があって助かってるよ」

     ◇

 サイクルトレインは、2003年にスタート。当初は中央前橋や西桐生など有人の4駅から乗り降りする人向けのサービスだった。

 その後、他駅からも利用したいという要望が寄せられ、06年までに対象を現在の全23駅に広げた。

 狙いは、電車の利便性を高めることで、乗客増につなげることだ。

 群馬は1人当たりのマイカー…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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