荻野好弘
世界遺産・白川郷(岐阜県白川村)の合掌造り集落で13日、屋根のふき替え作業があった。住民が協力して作業する「結(ゆい)」で集まった約150人が、新しい茅(かや)を急勾配の屋根に積み重ねた。
ふき替えたのは、江戸後期に建てられた明善寺の庫裏。間口22メートル、奥行き12メートル、高さ15メートルの合掌造りで、玄関側の屋根を36年ぶりにふき替えている。4月下旬から職人たちが古い茅を外すなど準備を進めてきた。
この日は村人らが屋根で作業。4トントラック15台分の約9千束の茅を用意し、約80センチの厚さで均等になるように調整しながら敷き詰めた。村の子どもらも茅の運搬を手伝った。
白川村教育委員会によると、「結」でのふき替えは5年ぶり。コロナ禍と茅不足で作業が延びていたという。村教委の文化財担当者は「職人にふき替えをすべて頼むことはできるが、『結』での作業には若い人に技術を伝え、景観を守りたいという村人の気持ちを高める意味がある」と話す。(荻野好弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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