住民2割が外国人の町 「100円の日本語教室」で地元民が探る共生

 金曜の午後7時ごろ。群馬県大泉町の閑静な住宅街にある公民館の別館に人が集まり始めた。普段は静かな館内が少しずつにぎわってくる。

 「20日は、はつか」

 「どようび、どよおび。『う』と『お』はどっち?」

 それぞれの机で、外国の人たちが日本語の読み書きを練習している。分からない言葉が出てくると、手を上げて近くにいる講師に質問する。

 ボランティア団体「大泉国際交流協会」が週に3回開いている日本語教室の一コマだ。

 この日参加した9人は、ミャンマーパキスタン、ペルー、中国などから来日した人たち。多くは大泉町やその周辺で暮らしている。10~20代の若者が多く、工場や介護などの仕事を終えてから来たようだ。

 「あいうえお」が理解できていない人もいれば、日本語でちょっとした会話ができる人もいる。参加者によってレベルが異なるため、授業ではなく自習形式だ。ひらがなの書き方や文法、文章読解など、それぞれのレベルに応じたプリントを使って学習する。

宿題もOK

 母に連れられ、ランドセルを背負った男の子がやってきた。昨年10月に中国から来日した小学2年の袁銘(えんみん)君(8)=同県千代田町=だ。早速、ランドセルから算数の教科書とノートを取り出し、九九の宿題を始めた。

 「さざんがく!」「しは さんじゅうに!」

 横にいる男性講師と一緒に、九九を暗唱していく。ひととおり言い終えると、通っている小学校の宿題に挑戦だ。分からない言葉を聞きながら、1時間もかからずに算数と国語の問題を終えた。

 母・歓(かん)さんは、宿題をする息子を隣で見守っていた。「日本語がすぐに理解できないから、自宅では宿題がすすまなくて……。ここに来ると息子は宿題を頑張るから、ありがたい」と話す。

 銘君の講師をしていたのはベトナム人のファム・ヴァン・ヒエウさん(34)。この教室の卒業生で、来日4年目。今は町内の派遣会社で働いている。「この教室で勉強したから、日本語が理解できるようになった。恩返しのつもりで、みんなのサポートをしている

」と話す。

地元民の思い

 大泉国際交流協会は町主体で…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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