1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の記録を神戸家裁が廃棄していた問題で、ほかにも注目を集めた少年事件の記録が廃棄されていたことが、各地の家裁への取材でわかった。
長崎家裁は、長崎県佐世保市の小学校で2004年、6年の女児(当時11)が同級生の首をカッターナイフで切って殺害した事件と、03年に長崎市で中学1年の少年(当時12)が家電量販店で幼稚園児を誘拐し、体をハサミで傷つけたうえ立体駐車場から突き落として殺害した事件について、全ての記録を廃棄していた。
佐世保市の事件で加害者として補導された女児は精神鑑定の後、長崎家裁佐世保支部の審判で、児童自立支援施設に送致する保護処分が決定した。長崎市の事件でも、補導した少年に対する精神鑑定の後、長崎家裁が児童自立支援施設に送った。
最高裁は、少年事件の記録の保存期間を「少年が26歳に達するまでの期間」と定めている。一方、「世相を反映した事件で史料的価値の高いもの」「全国的に社会の耳目を集めた事件」などは、保存期間経過後も廃棄しない「特別保存」の対象としている。
長崎家裁によると、長崎市の事件は18年3月、佐世保市の事件は19年2月に廃棄したという。「特別保存」の対象だったかどうかや、事件記録に含まれていた資料の詳細などはわからないといい、経緯を調べている。
岡山家裁では、岡山県立高校3年の少年(当時17)が00年、金属バットで野球部の後輩4人を殴ってけがをさせた後、自宅で母親を撲殺した事件の記録が廃棄されていた。家裁は廃棄の経緯は「わからない」としている。
この少年は「刑事処分が相当」との意見を付けて家裁送致されたが、後輩から嫌がらせを受けていた背景などが考慮され、家裁は特別少年院に送る保護処分とした。対人関係を築く能力に乏しく、感情表現が不得意なことなども要因に挙げられた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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