佐賀県警、2大学と司法解剖契約 女性殺害事件での対応遅れ批判受け

大村久

 佐賀県警は、事件の可能性がある変死事案があった場合などに迅速に司法解剖できるよう、新たに二つの大学と契約を結んだ。9月に起きた女性殺害事件では司法解剖など県警の初動対応が問題視されていた。

 10月29日の定例記者会見で報道陣の質問に答え、明らかにした。

 県警によると、司法解剖の嘱託契約を産業医科大(北九州市)、長崎大長崎市)と新たに結んだ。また、現在委嘱している佐賀大や福岡県の三つの大学に対して、休日などでの対応を改めて文書で要請したという。

 松下徹・県警本部長は会見で、「より一層、迅速に司法解剖を行うための体制が構築されたと考えている」と説明した。

 9月10日に佐賀県鳥栖市で起きた女性殺害事件では、事件性を判断するための司法解剖が行われたのは土日を挟んだ3日後だった。その日、容疑者が大分市内の警察署に自首して事件性が明らかになったが、この間、県警は事件の発生を公表せず、周辺住民や学校などに知らされなかった。

 このため、同月下旬の県議会総務委員会などでは初動捜査のあり方や広報対応が問題視されていた。

 松下本部長は県公安委員会から「地域の安全安心を確保するため、適切な情報発信を行っていくことが重要で、県警は情報発信の重要性を踏まえて業務にあたるように」と指摘されたと明かし、「県民の安全安心を確保するための取り組みをより一層充実、強化する」と述べた。(大村久)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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