佐賀県警本部長、暴行死事件を説明 従来の見解繰り返す

 福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件で、佐賀県警が事件前に女性の遺族から相談を受けながら事件化しなかった問題について、県警の杉内由美子本部長が29日の定例会見で初めて自ら説明した。「ただちに危害が及ぶ内容とは認められなかった」というこれまでの県警の見解を繰り返し、「今後の教訓としてより丁寧な対応を心がけていきたい」と話すにとどまった。

 事件は2019年10月、太宰府市の駐車場の車内から無職高畑瑠美さん(当時36)の遺体が見つかり発覚。福岡県警は高畑さんと同居していた無職山本美幸被告(42)ら3人を死体遺棄などの容疑で逮捕(うち1人の死体遺棄は無罪)した。

 事件前の19年7月中旬から9月下旬の間、遺族は高畑さんから金銭を無心され、暴力団との関係をちらつかせる山本被告らに脅迫されていると佐賀県警に少なくとも8回相談。被害届受理も求めたが、事件化されず、その後高畑さんは暴行され亡くなった。

 佐賀県警は遺族の相談について、刑事部の幹部らが「ただちに危害が及ぶとは認められなかった」と説明。杉内本部長も定例会見や県議会で同じ説明を繰り返したが、報道陣の取材には直接応じてこなかった。

 一方で、遺族が被害届の提出を求めていたのに、県警の内部文書には被害届提出の意思について「なし」「解決」と事実と異なる記載がされていたことが発覚。遺族が県警の対応を批判し、第三者による再調査を求めていた。(平塚学、大村久)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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