関東でも有数のサービスエリア(SA)として知られる東北自動車道の佐野SA(栃木県佐野市)で、14日未明から上り線のレストランや売店の営業が突然休止した。通常ならお盆で混雑する時期の出来事に利用客に戸惑いや落胆が広がっている。
24時間営業でレストランや売店、フードコートがある佐野SA。店の入り口には営業休止を知らせる「お知らせ」が貼られ、明かりも消えている。次々と訪れた客は戸惑いの表情を見せていた。
関係者によると、店舗スペースを借りてレストランや売店を運営する佐野市の会社で労使間のトラブルが起き、約50人の従業員が出社拒否を決めたため、14日午前3時から営業を休止したという。11日には取引業者が商品を納品しないなどの事態が起きていたという。
東日本高速道路(ネクスコ東日本)のグループ会社、ネクセリア東日本によると、運営会社からの説明は一切ないという。再開の見通しは立っていない。下り線側のSAに徒歩で行き来できるため、ネクセリアの社員らが事情を説明し、下り線側のSAを利用するよう客に呼びかけているという。ネクセリア東日本は「お盆の一番の稼ぎ時に店が開いておらず、お客さんに心からおわびしたい。今すぐ店を開けてほしいと運営会社にお願いしている」と説明する。
佐野SAの利用客は年間約170万人。関東でも有数の利用客が多いSAという。佐野ラーメンやギョーザを目当てに立ち寄る人は多く、14日もごった返していた。
横浜市から家族と訪れた男性会社員(51)は「こんなことは初めて。次のインターで降りてお土産を買うしかない。本当に迷惑です」と困り顔だった。(北崎礼子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル