体育館とは大違い、熱海のホテル避難所 理想の中の課題

 静岡県熱海市で起きた土石流では、市内の観光ホテル2カ所が避難所として使われ、被災者は個室などで過ごしている。災害時の避難所は学校の体育館や公民館などに設けられることが多く、環境の過酷さが指摘されてきた。観光地ならではの施策だが、今後の災害時の対応のモデルになるのか。

快適さの一方で「いつまでいられるか」

 512人が避難生活を送るのは、市中心部にある349室の熱海ニューフジヤホテルだ。

 7日昼、避難者が洗濯物や買い物袋を抱えて玄関を出入りしていた。ロビーでは、支援物資を手渡される様子が見えた。ホテルから出てきた80代女性に話を聞くと、「おいしい食事に大浴場もある。至れり尽くせりです」と話した。

 一人暮らしの自宅の目前まで土石流が迫ってきた。3日昼、警察などの呼びかけで自宅を出た。最初の避難所は市役所近くの施設。空き部屋の床にマットを敷いただけの簡素な設備で「横になって休めたが、長時間いるのはきつかった」。その後、市が確保したホテルへ移ることができた。

 ベッド二つの個室を1人で使い、テレビを見たりロビーで新聞を読んだりして過ごす。朝晩の食事はバイキング形式で、近所の友人と会うのも楽しみだ。新型コロナウイルスの感染拡大も心配されるが、「個室だから安心。困ったことはほとんどない」と話す。

 自宅に土砂が迫って帰宅でき…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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