動物園で暮らす動物たちに必要な物を、市民が代わりに購入する――。ネット通販大手アマゾンのサービス「ほしい物リスト」を活用した、動物園支援の取り組みが各地で広がっている。予算の限られた動物園を支え、飼育環境を向上させる新たな手法として注目を集める。(宮坂知樹)
「31・5キロ。少し増えちゃったね」。大阪市の天王寺動物園の一画で、飼育員が牛肉や笛の音でチュウゴクオオカミの気を引き、体重を量っていた。使用する体重計は、アマゾンのほしい物リストを通じて市民が購入したものだ。
以前使っていた体重計は大型で、オオカミが警戒して乗らないことがあった。飼育員の坪谷理紗さん(31)は「今の薄い体重計なら、すっと乗ってくれる」と喜ぶ。
過去の寄付、ニーズ一致しないことも
園では年3回、必要な物品やエサのリストをホームページなどで公開し、購入してくれる人を募っている。扇風機、骨付き肉、小動物の隠れ家、鳥の観察に使う望遠鏡――。リストに掲載したものは、すべて寄付が集まったという。
アマゾンの「ほしい物リスト」を活用した、動物園支援の取り組みが広がっています。後半では、先駆けとなった園の取り組みや専門家の話を紹介します。
以前からエサや遊具を寄付してくれる人はいた。ただ、高カロリーな食品だったり、遊具もペット用だったりと、できるだけ野生に近い暮らしをさせているなかでは「ニーズ」が一致しないものも少なくなかった。飼育展示課リーダーの中島野恵さん(45)は「ありがたいが、無駄になってしまうこともあった」と明かす。
そんななか、各地の動物園で…
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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