祭壇には顔写真とたばこ、そして甘めの缶コーヒーが供えられている。
スタッフ4人が順番に焼香をあげ、棺に花を入れていく。
「安らかな顔だね」
「ゆっくりしてね」
サポーティブハウスと呼ばれる支援付き福祉マンション「メゾンドヴューコスモ」に入居していた男性の葬儀が今年4月にあった。
コスモを営む山田尚実さん(65)は、懐かしそうに笑みを浮かべた。
「『ありがとう』って言って、今にも起きてくるよ」
男性は3月、誤嚥(ごえん)性肺炎にかかり79歳で亡くなった。
奈良県生まれ。中学を卒業後、大阪の建設現場で日雇い労働者として生きてきた。
福祉関係者の紹介でコスモに移り住んだのは2020年。
内縁の妻に金をとられ、飢え死に寸前の状態だったという。
移る前の部屋はごみであふれ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル