がんと闘いながら新しいネタにも挑み、不屈の高座を見せた上方落語の六代目笑福亭松喬(しょきょう)の七回忌落語会が天満天神繁昌亭(大阪市北区)で9月7日に開かれる。最後の舞台となった繁昌亭に兄弟弟子や直弟子らが出演し、その芸と人をしのぶ。
六代目笑福亭松鶴門下で上方らしい人間くさく豪快な芸風を受け継ぐ一方、理知的で端正な桂米朝の音源などを研究して緻密(ちみつ)さも備えた松喬落語を作りあげた。
噺家(はなしか)生活で50代を特に重要な年代として落語と向き合い、60歳の2011年12月に集大成となる6日間連続公演を大阪・ABCホールで成功させた。しかし、その絶頂時に肝臓がんが見つかった。
がんは6・5センチに達していた。放射線や抗がん剤の治療を始めると、食欲不振と下痢に苦しんだ。くじけそうになる気持ちを、「松喬の落語を聴きたい」というファンの励ましで奮い立たせた。ひとたび高座に上がれば、がんの自身を突き放して語りきる名人芸で、闘病記はしばしば爆笑を生んだ。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル