高校生が手話の表現力を競う第9回全国高校生手話パフォーマンス甲子園(朝日新聞厚生文化事業団、朝日新聞社など後援)が25日、鳥取県倉吉市で開かれ、秋篠宮家の次女佳子さま(27)が3年ぶりに出席した。
開会式で佳子さまは手話を交えてあいさつ。「コロナ禍の影響によるさまざまな制約のもとでの練習には大変なこともあったかと思います」とこれまでの苦労を思いやり、「さまざまな工夫をしながらパフォーマンスを作り上げたことや、目標に向かって励んだことは貴重な経験になったことと思います。最高のパフォーマンスができるように私も応援しております」と笑顔でエールを送った。
大会には予選を通過した12県の15チームが参加。手話に演劇やダンスなどを交え、多彩なパフォーマンスを披露した。審査の結果、坂戸ろう学園・大宮ろう学園の合同チーム(埼玉県)が優勝した。準優勝に奈良県立ろう学校(奈良県)、3位に松山聾(ろう)学校(愛媛県)がそれぞれ選ばれた。
佳子さまは2019年に出席した後、20、21年はいずれもビデオメッセージでの参加となった。3年ぶりの現地開催の大会に臨んだ佳子さまは、演技が終わるたびに拍手を意味する手話を交えながら、穏やかな笑みで熱演をたたえた。
表彰式の後、佳子さまは優勝チームの大宮ろう学園2年の成塚元香さん(16)と、坂戸ろう学園2年の吉瀬千咲さん(16)と懇談。「優勝おめでとうございます」「緊張していましたか」などと話しかけ、2人が「緊張しました」と答えると、「緊張しているように見えませんでしたよ」とほほ笑んだ。
さらに「お二人は別々の学校なのですよね。どのように練習されたのですか。(2校同士は)遠いんですよね」「今回(大会)のために初めて会ったのですか」などと質問。2人が幼なじみであることを知ると、「前から仲が良かったんですね」と述べた。
佳子さまは終始、スムーズな手話を交えた穏やかな話しぶりで、「本当にたくさん話し合って、いろいろと頑張って練習してきたんですね。今日は本当に素晴らしいパフォーマンスを見させていただいてうれしかったです、楽しかったです」とねぎらった。
成塚さんは「佳子さまは魅力的な手話で積極的に質問してくださった。お会いできてうれしかった」。吉瀬さんは「佳子さまの手話はとてもお上手で、スムーズに会話できた」と話した。
吉瀬さんは今月開かれた手話のスピーチコンテストでも佳子さまに会ったことがあるといい、「私のことを覚えていてくださった。今回またお会いできて本当にうれしい」と笑った。(大久保直樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル