寒い冬に欠かせない使い捨てカイロ。衣類に貼るなどして体を温めた後はそのままゴミ箱へ――。なんてことが多いが、意外な再利用の方法もあるようだ。
使い捨てカイロは、鉄粉や活性炭、水、バーミキュライトと呼ばれる土から構成される。半分以上を占める鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄になり、その化学反応が起こるときに出る熱を利用する仕組みだ。
東京海洋大の佐々木剛教授はカイロの中身を使った水質浄化に取り組んでいる。2016年から、東京都港区の干潟にカイロの成分の鉄や炭を入れ、実験を進めている。有機物による汚染度を示す化学的酸素要求量(COD)が半分に改善したという結果が出ているという。
水質浄化に取り組むGoGreenGroup(大阪市)の山下崇代表は、工場などから大量に廃棄される期限切れや使い終わったカイロに目をつけた。佐々木教授の協力を得て、18年からカイロを回収し、海や池の水質浄化に取り組む。カイロの中身に酸を混ぜて一つ約6グラムの特製キューブを作り、兵庫県のゴルフ場の池で実証実験を進める。
ゴルフ場ではコースの芝生の育…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル