生態系に悪影響を与える侵略的外来種が世界に与える損失は年間4千億ドル(約60兆円)を超えるとする報告書を、国連の科学者組織「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」が4日、発表した。さらなる被害を減らすため、早期の対策の必要性を強調している。
侵略的外来種とは、外来種の中でも、自然や人間の生活に悪影響を及ぼす種をいう。ドイツで開かれた総会で承認された報告書によると、現在、世界では3万7千種以上の外来種が人間活動によって持ち込まれており、3500種以上が侵略的外来種とされる。さらに毎年200種が新たな外来種として記録されている。
報告書は2019年に侵略的外来種によってもたらされた損失は、4230億ドルを超えると指摘。1970年以降10年ごとに4倍ずつ増えているという。このうち、駆除など外来種の管理にかかるコストは1割に満たず、9割以上が食料や医薬品のような人間生活を支える自然の恵みを失うことによるものという。こうした侵略的外来種の影響は今後、さらに増加し続けると予測されている。
悪影響の大きい侵略的外来種…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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