江口悟
便器や洗面台などの衛生陶器大手・TOTO(北九州市)が6日、世界各地の自社工場で働く技術者を集めた衛陶(えいとう)技能選手権(成形の部)を北九州市の工場で開いた。改めてアジア各国の社員の技術力や意欲の高さを確認する場となった。
衛生陶器の加工技術を二つの部門で競うもので、コロナ禍での中断を経て2019年以来の開催。うわぐすりを塗る技術を競う「施釉(せゆう)の部」は7月にあり、ベトナム勢が連覇した。
今回の「成形の部」では、焼き上げる前の陶土の状態の衛生陶器を手作業で加工する技術を競った。
日本や海外の14の生産拠点で働く30人が出場。陶土のミニチュア便器に直径35ミリの穴を開けて別の陶土できれいに埋める加工や、陶土を直径12ミリの均質なひも状にする「より巻き」の正確さを競った。
海外の選手が成形の部に参加し始めた14年には、日本勢が上位3人を独占。しかし、近年は国内予選を経て参戦するベトナム勢の躍進が目立っていた。今回もベトナムから3人が出場。成形の仕事に就いて6年というグエン・チョン・ヒエウさんは以前も国内予選を勝ち抜いたが、コロナ禍で来日できなかったといい、「練習をたくさんしてきたが、本番では緊張した。90%の力は出せた」と話した。
そのベトナム勢を抑えて今回優勝したのは、タイの工場で働くスパラレック・ジンプランさん。清田徳明社長から表彰を受け、「タイに戻ってからも工場全体のスキルと自分のスキルをもっと向上させたい」と話した。ベトナム勢は2、3、4位。5位にインド、7位にインドネシアの選手が入るなど、TOTOにとっては各地のレベルアップを確認できる絶好の機会になった。(江口悟)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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