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新型コロナウイルス感染拡大“第2波”への備えは進んでいるのでしょうか。報道ステーションでは13日、保健所と病院を取材しました。 東京都北区の保健所は「以前より余裕が出てきた」と話します。
東京都北区保健所・前田秀雄所長:「第1波のように、何もかもすべてが保健所で対応しなければならない状況ではない。保健所の業務は一定軽減されている」
その理由の一つが、相談件数の減少です。
東京都北区保健所・前田秀雄所長:「『どういうものなのか』『マスクを買えないがどうしよう』といった一般的な相談は、今は多くない。相談件数も第1波よりは減少している」
そして、2つ目の理由は、業務内容の変化です。北区の保健所では、電話相談や、相談者にPCR検査を受けてもらうかどうか、重症者の受け入れ病院を探すなど、様々な業務を一手に担ってきました。それが、今では、PCR検査を受けるかどうかは医療機関が判断し、重症者の受け入れ先も都が一括して請け負うようになりました。この2つの業務が無くなったことで、負担は軽減したといいます。
ただ、急増する感染者について危機感を募らせています。
東京都北区保健所・前田秀雄所長:「この数週間で患者数が増加した。急激な上昇に緊迫感を持っている。この状態がどれくらい続くか。瞬間的なものなら乗り切れるが」 東京都江戸川区にある東京臨海病院は、最も多い時には約50人が入院し、6床あったICU(集中治療室)も常に埋まっている状態でした。東京臨海病院には、東京都から「第2波に備え、病床を増やしてほしい」という要望が来ましたが、迷いがあったといいます。
東京臨海病院・小林滋病院長:「当院としては、要請を受けたらその要請に応えようという気持ちは十分あるが、逡巡するものがありました」
都は、重症患者のために4床、中等症患者のために40床の確保するよう、準備を進めてほしいとしています。しかし、この病院で確保しているのは、重症患者用2床、中等症患者用13床です。今では、新型コロナウイルスの患者に対応できる病院も周辺に増えたため、このベッド数で対応できるといいます。 もう一つの理由は、診療報酬です。国は、患者を受け入れた病院に支払う診療報酬を通常の3倍に引き上げましたが、“焼け石に水”だといいます。
東京臨海病院・小林滋病院長:「(診療報酬を)3倍頂けるのは、コロナの陽性患者さんだけ。ところが、うちはコロナの感染症協力病院ですので、(陽性)疑いの患者さんも診断がつくまでは入院、退院して頂くことになっている。その人たちは3倍にならない」
東京臨海病院が受け入れているのは、陽性と判明した患者だけではなく、疑いの人への治療も含めると、診療報酬の引き上げ効果は限定的だと言います。そもそも、病床を増やすだけの人手が足りません。さらに、治療にあたるスタッフの精神面にも不安があるといいます。
東京臨海病院・小林滋病院長:「防護服を着て、身体的にも大変きついところへ、患者さんのストレスにも付き合っていくということがあって、非常に大きなストレスを受けた。(医療スタッフに)眠れないという症状が非常に多かった」 小林滋病院長は、第2波に備えて「軽症者をしっかり隔離すること、隔離する施設を準備すること、これを早急にやって頂きたい」と話しました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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