石井啓一国土交通大臣は6月11日に開催された会見で、6月6日に下飯田駅(横浜市泉区)付近で脱線事故が発生した横浜市営地下鉄1号線(ブルーライン)について、今後の対応を明らかにした。
この事故は、保守用車が駅間や駅構内の保守用線路に出入りするために設置される簡易的なポイントである「横取り装置」と呼ばれるものの撤去を忘れたことが直接の原因とされている。
会見によると、国交省からの警告を受けて6月7日に行なわれた横浜市交通局からの報告では、横取り装置の点検作業についての手順書がなかったことや、作業後の確認方法が定まっていなかったことなどが背後要因に挙げられていたという。
その上で、今後は点検整備手順書やマニュアルなどの整備や見直し、横取り装置を戻さないと警報を止められない仕組みや列車を停車させる仕組みを検討することなどが報告されたとしている。
この報告を受けて石井大臣は、「横取り装置の撤去を失念する事象は、過去に他の事業者においても生じておりまして、各鉄道事業者においては様々な対策が講じられております」とした上で、「これらの取組を徹底するとともに、公共交通機関としてより一層の緊張感を持って、しっかりと安全・安定輸送に取り組むよう指示をしております」と述べ、他の事業者と横断的に事故の情報を共有し、同様の事故の再発防止に図りたいとした。
6月10日に全線での運行を再開した横浜市営地下鉄は、事故車両を湘南台駅(神奈川県藤沢市)に留置した関係で同日は終日ダイヤが乱れた状態が続いていたが、6月11日2時40分に上永谷車両基地(横浜市港南区)への収容が完了したことから、同日始発から全線が正常ダイヤに戻っている。
横浜市交通局では正常運行での再開に際し「今後は事故原因等の検証と安全運行のための再発防止策等の検討を本格化させていきます」としている。
《レスポンス 佐藤正樹(キハユニ工房)》
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