保活の「都市伝説」をファクトチェック 嘆願書は有利?

 保育園を選ぶ「保活」のシーズンになりました。役所に足しげく通ったほうがいい、嘆願書を提出すると有利になる――。保活には、根拠がはっきりしない「都市伝説」がつきまといます。専門家にファクトチェックしてもらいました。

 「いっぱい区役所に行って、窓口で泣いた方がいいですよ」。記者は保活中、先輩ママから言われた。周囲でも取材先でも、申し込み前にひんぱんに役所を訪ねる人はよくいた。

 「役所詣で」とも言われるこうした努力で、本当に入園選考で有利になるのか。

 認可保育園の選考は、親の労働時間や家庭の状況による点数制で、同点の場合の優先順位についても、年収などの基準で厳密に決まっている。複数の自治体の担当者は「機械的に決めていくので、『情』が入る余地はない」と強調する。

 しかし、実際のところはどうなのだろうか。30年来、待機児童問題を見続けてきた「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんに聞いた。

 「役所に足しげく通ったり、名前を覚えてもらうといった対策には、効果は薄いと思います」

 普光院さんの答えは、「○寄りの×」。入園の可否を決める基準が厳格に決まっており、心情に訴える効果は全くないから「×」。ただし、情報集めには効果的だから「○寄り」だ。

 役所できちんとした情報を集めることは保活に不可欠だという。コロナ禍で、来庁を最小限にするよう呼びかける役所も多いが、電話でも質問はできる。このとき、「入れるためにどうすればいいですか」などと漠然とした質問ではなく、「この園のこの年齢のクラスでの実績を教えてください」というように、具体的な質問を寄せるといいという。

 地元の議員に会いに行くと有利になる、といううわさもネット上で飛び交う。「口利き」はありえるのか?

 普光院さんの答えは「×」。自治体は、落選した人から審査請求があれば、審査会にかけなければならず、公正な審査が行われたか確認される。議員の口利きで点数を水増しするのは難しいという。

記事の後半では、さらに五つの都市伝説をファクトチェック。詳しく解説したオンライン記者サロンの動画もご覧いただけます。

おすすめの添付資料は

 読者からも質問が届いた。役所に出す申込書類に、職場や親族からの「嘆願書」をつけたらよいと聞くけど、本当? 

 普光院さんの答えはこれも「×」だが、添付資料しだいでは、つける意味もあるという。

 「役所によっては『そんなのは…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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