中井なつみ、石川春菜、田中瞳子
4月からの認可保育園への入園申込者数が、大都市圏などで昨年に引き続き減少傾向にあることが朝日新聞の調査でわかった。全国の認可園の申込者数は昨春、厚生労働省の調査開始以来初めて前年を下回り、今春回復するか注目されていたが、コロナ禍の感染不安や雇用環境の悪化などが引き続き影響しているとみられる。
「育休延長」コロナ前の2倍に
認可保育園(認定こども園なども含む)の入園は、保護者が市区町村を通じて申し込み、自治体が家庭の状況などから優先度をつけ、決定する仕組みになっている。新年度の4月入園分は、前年の秋ごろから受け付けを開始。1~2月ごろの1次選考で大半が決まり、その後4月に向けて調整を重ねる。
朝日新聞では、この1次選考について、政令指定市と東京23区、昨年4月時点で待機児童数が50人以上いた計62自治体に調査を実施し、59自治体から回答を得た。
申込者数の合計は20万46人で、前年(20万5537人)より約5500人減った。47自治体で前年を下回り、23区で増えたのは世田谷区のみだった。品川区では2割ほど減り、担当者は「コロナ禍の預け控えが続いているのでは」。渋谷区では、コロナ禍で復職を見送り、育児休業を延長したいという保護者が2年前の2倍ほどに増えているという。「想定より速いペースで少子化が進んでいる」(京都市)などの声もあり、東京都豊島区など、保育園の整備計画の見直しを始めた自治体もある。
一方で、東京都町田市、千葉市などでは申込者数が増えており、中でも広島市では前年比1割増の375人増えていた。担当者は「預け控えが回復してきているのではないか。今後、待機児童が増えるかもしれない」と推移を見守る。
記事の後半には、各自治体の申込者数や、1次調整時点での「落選率」の一覧を掲載しています。
内定者数を回答した57自治体について、申込者に占める落選者の割合を「落選率」として計算したところ、平均は22%と前年より2ポイントほど改善した。政令指定市と23区では20%程度と改善が目立つ一方で、福岡県太宰府市は55・3%と半数を超え、次いで千葉県君津市(49・2%)、兵庫県尼崎市(39・7%)でも高かった。担当者は「大都市に通勤する子育て世帯のニーズが高い」(太宰府市)、「保育士不足で、園の受け入れ可能数が減っている」(君津市)などの理由を挙げている。(中井なつみ、石川春菜、田中瞳子)
■自治体の申込者数と落選率…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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