保育園児バス熱中症死1年 自問自答続け、小規模保育園つくった女性

 福岡県中間市の双葉保育園で昨年7月、園児の倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)が送迎バス内に取り残され、熱中症で死亡した事故から29日で1年となった。地元で起きた事故に思い悩んだ女性は、勤めていたこども園をやめた。いまは小さな保育園をつくり働く。

 中間市の子育て支援施設だった場所。0~1歳の子どもたちが、広いフロアで保育士に抱っこされたり、自由に動き回ったりしていた。ここは5月にできたばかりの園児8人、職員6人の小規模保育園だ。

 夕方、保護者が迎えにやってくる。「今日も一日、元気でしたよ」と、保育士に抱っこされた園児が引き渡された。

 園長の上村初美さん(68)は事故があった1年前、市内の別の認定こども園の園長だった。前身は認可保育園で、母と1979年に立ち上げた。

 事故はニュースで知り、耳を疑った。「やってきたことは意味がなかったのだろうか」と心を痛め、自問自答した。当時、県保育協会保育士会の会長。2011年から8年間は全国保育士会の会長も務めた。保育の質の向上や、保育士の専門性を高めることを呼びかけてきた。

悩んだ末、退職 「できることをやっていきたい」

 それなのに、地元で重大な事故が起きた。責任を感じ、悩んだ。「もやもやした気持ちを抱えたまま働くことはできない」という思いをぬぐい去れなかった。40年以上勤めた園をやめることを決めた。

 今年3月末に退職。現場から…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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