福岡県議会定例会は20日、手話を言語として認め、普及を促進する手話言語条例案を可決して閉会した。聴覚障害のある人や家族に対し、乳幼児期からの切れ目のない相談支援体制の整備が盛り込まれているが、課題も残っている。
県は条例の成立を受け、聞こえない、聞こえにくい乳幼児との関わり方について、言語聴覚士らが保育所などに出向き、職員の相談を受ける仕組みを作る。
福岡市の河原美幸さん(44)の次男・匠真さん(5)は、先天性感音難聴で、左耳は人工内耳で、右耳には補聴器をつけている。
保育園探しに苦労した。区役所に相談すると、障害児を受け入れる保育園の一覧表を渡されたが、「難聴児を受け入れているかは分からないので、自分で確認してほしい」と言われた。
保育園を見学した時、難聴のことを相談すると「前例がない……」と断られた。医師から、3歳までは家庭で育てた方がいいと言われたこともあり、保育園は断念した。
河原さんは現在、「難聴の子を持つ家族会そらいろ」の運営にかかわる。「自分が知りたかったことを知りたい人はたくさんいる」とSNSなどで、難聴児を育てる家族や保育園などに向けて、情報などを発信している。
今回の条例で、保育園の職員らを対象とした相談体制が整備されることについて、「仕組みが出来たことはとてもありがたい。聴覚障害への理解が広まってほしいし、適切な接し方は子どもによって違うので、制度をうまく利用してほしい」と期待する。
福岡県久留米市に住む寺崎さ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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