大木理恵子
熊本県合志市は13日、市内の認可保育施設で園長が園児に怒鳴るなど虐待が疑われる行為があり、市に相談があったと明らかにした。園長は現在、保育の業務からは外れており、辞任する方針だという。市は、法で定められた施設に対する毎年の監査を怠っていた。
市子育て支援課への取材によると、市内のNPO法人が運営する小規模保育施設。この夏、女性園長が1~2歳児に対して怒鳴り声を上げたほか、ほおを押さえてたたいたり、頭や顔にお茶をかけたりしたという。園児にけがはなかったという。
施設では保護者会を開き、園長の辞任方針などを説明した。施設の保育士から9月に市に相談があり、問題が発覚した。市は今後、園児の心のケアなどにあたる。
施設は2015年に市の認可を受けた。市は児童福祉法に基づき年1回以上、保育士の数や消毒液の管理、画びょうの置き場所、虐待の有無など安全管理に関する監査を現地で行うよう定められている。監査では、施設の状況を把握する施設長らに聞き取りをする。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止したが、監査をしたのは認可以降1回のみだった。監査とは別に、施設の運営費補助の申請に必要な書類では安全管理について確認していたという。
子育て支援課の担当者は「監査については認識不足というほかない。担当の職員数が少なく人手も足りない状態だった。今後は監査で聞き取りをする対象者を広げることやチェック項目の見直しなども含めて考えたい」と話している。(大木理恵子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル