それは、思いもよらない連絡だった。
5年前、東京都内に住む女性(41)が当時12歳の長女(17)とスーパーで買い物していると、携帯電話が鳴った。
「娘さんが職員から性的なことをされた可能性があります。これから産婦人科に行ってください」
電話は、さっきまで長女がショートステイで利用していた福祉施設の施設長からだった。
長女は生まれたときから重度の身体障害があり生活全般に介助が必要で、1人で歩いたり立ち上がったりはできない。知的障害もあり、言葉や身ぶり手ぶりのコミュニケーションもとれない。
思い返せば、違和感はあった。
いつも施設から帰ってくると笑顔を見せてくれる長女が、今日は笑わず、顔色がいつもより青白く見えた。
施設からの連絡帳にも「ズボンが汚れたので洗いました」と、いつもは書かれないことが記されていた。
それでも、信頼していた施設で、娘が性暴力の被害に遭うとは想像していなかった。
「子どもへの性暴力」第7部は障害のある子どもの被害について取り上げます。障害のある子どもは、そうでない子どもと比べて、被害を被害と認識できなかったり、助けを求めることが難しかったりします。目を背けずに事実を知ることが予防や対策への第一歩と考え、記事では被害の状況などを詳しく書いています。
目の前にいる娘に何が起こっ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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