大阪市西成区の修道女マリア・コラレスさん(84)は、野宿者におにぎりや毛布を配る「夜回り」を続けて30年余りになる。新型コロナウイルスの感染拡大で炊き出しを休止する団体もあるなか、「どんな人も平等にある命を守りたい」と、週2日、路上に立ち続けている。
11日午後9時前、マリアさんが所属するカトリックの聖母被昇天修道会西成修道院(西成区旭1丁目)の近くに、1台のワゴン車が止まった。
運転するのは、系列の社会福祉法人暁光会大阪支部の責任者、森下敏行さん(51)。森下さんらが作ったおにぎりを積んだワゴン車は、マリアさんを乗せて走り出した。
まず向かったのは、浪速区日本橋の電気街。シャッターを下ろした店舗の前で、寝袋に頭までくるまって横たわる男性にマリアさんが声をかけた。
「大丈夫ですか。おにぎりはいかがですか」
男性が寝袋からそっと伸ばし…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル