宮坂知樹
春の全国交通安全運動開始を翌日に控えた5日、大阪市中央区の大阪府庁でイベントがあった。ゲストで登場した俳優の三戸なつめさん(34)が「交通ルールを守って安全な生活を送って」と呼びかけた。三戸さんは手ぶりを交えて、保育園児たちに信号のルールなどを教えた。運動期間は15日まで。
昨年1年間に大阪府内で起きた交通事故の死亡者数は前年より7人多い148人で、2年連続で全国最多だったことが府警のまとめで分かった。
死亡した状況を見ると、歩行中54人、自転車乗車中37人、バイク乗車中36人など。
府警は、自転車に乗る時のヘルメット着用が昨年4月に努力義務化されたのを受け、小学校などでの交通安全教室のほか、動画を製作するなどして着用を呼びかけてきている。
ただ、警察庁による昨年7月の調査では、大阪府の着用率は4・2%で、全国では下から4番目。府警が努力義務化から1年に合わせて実施した調査でも5・8%にとどまったという。
ヘルメットは、事故に遭ったときに致命傷を防ぐ効果が期待されているが、府警幹部は「万が一に備える意識は高いとは言えず、警察としても危機感を持っている」と話す。
豊中市の「のどか保育園」(定員78人)では今月から、希望する保護者にヘルメットを無償で貸し出す試みを始めた。保護者のうち約6割が子どもの送り迎えに自転車を使っている。ほとんどの子どもがヘルメットを着けている一方、保護者はかぶっていないケースが多かったという。
のどか保育園の運営会社「ビケンテクノ」(吹田市)の担当者は「貸し出しをきっかけに着用を習慣化し、お子さんだけでなく保護者も命を守っていただきたいと考えた」と話した。(宮坂知樹)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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