岡山県倉敷市玉島の住宅で昨年12月、会社経営の問田(といた)正さん(当時57)が殺害され、妻(50)が大けがを負った事件で、県警玉島署捜査本部は11日、問田さんを殺害したとして、長男の問田直孝(29)=倉敷市玉島阿賀崎1丁目=と、紳士服販売業村上航希(26)=岡山市北区東花尻=の両容疑者を殺人の疑いで再逮捕し、発表した。県警は2人の認否を明らかにしていない。
県警によると、2人は共謀して昨年12月2日午後6時15分ごろから同7時15分ごろまでの間、問田さん方の1階洗面所で、村上容疑者が刺し身包丁(刃体約22センチ)で問田さんの胸などを複数回突き刺し、顔面や胸などを殴るなどして殺害した疑いがある。問田さんは左胸を刺されたことによる出血性ショックで死亡した。
直孝容疑者は犯行時に現場にいなかったが、事件当日の午前中、夫婦が外出したあとに合鍵で玄関を解錠したまま立ち去る姿が、問田さん方の防犯カメラに映っていたという。
県警は、村上容疑者が午後3時5分ごろに玄関から侵入し、夫婦が帰宅するまでの間、室内で待ち伏せしていたとみている。刺し身包丁は問田さん方にあったもので、夫婦はこの包丁で刺されていた。
直孝容疑者と村上容疑者は、数年前に県内の中小企業経営者らによる異業種交流会を通じて知り合ったという。
捜査関係者によると、村上容疑者は県警の調べに「直孝容疑者に頼まれてやった」などと供述し、直孝容疑者は容疑を否認しているという。県警は、直孝容疑者が何らかの見返りを約束して村上容疑者に犯行を依頼したとみて経緯を調べている。
直孝容疑者は問田さんが倉敷市内で経営する自動車部品会社の役員を務めていた。捜査関係者によると、夫婦との間に金銭を巡るトラブルがあったという。会社の登記簿によると、直孝容疑者は事件後の同年12月13日、この会社の代表取締役に就任していた。
直孝容疑者と村上容疑者は同月21日に問田さんの妻への殺人未遂容疑などで逮捕され、岡山地検は11日、2人を同罪などで起訴した。(上山崎雅泰)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル