ハーブや果実の香りが楽しめるジンは「飲む香水」とも呼ばれる蒸留酒だ。ご当地の素材や製法にこだわったクラフトジンが近年、各地で造られ、個性を競い合っている。なかでも九州・山口は一大産地となっており、花盛りの様相だ。
ジンの本場、英国で7月に開かれた酒類品評会「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ」で、本坊酒造(鹿児島市)がマルス津貫蒸溜所(鹿児島県南さつま市)で手がける「Japanese GIN 和美人」が、ジン部門の最高賞を受賞した。
ジンはアルコール度数を高めたスピリッツ(ベースアルコール)に、ジュニパーベリー(針葉樹ネズの実)をはじめとするハーブや果実、樹皮などのボタニカル(植物成分)を漬け込んで、蒸留した酒だ。
「和美人」は、屋久島産を含むコリアンダーシードを使うことで、風味の核となるジュニパーベリーの爽快な香りを引き立たせることに成功した。
さらに、いずれも鹿児島産のキンカン▽ショウガ▽辺塚だいだい▽レモン▽緑茶▽ユズ▽けせん(ニッケイ)▽月桃▽シソの9種類のボタニカルを使い、甘さやほろ苦さ、スパイシーさが調和した複雑な風味に仕上がっている。
本坊酒造は焼酎をはじめ、ウイスキーやワインも手がけてきた。ジンの製造主任を務める加治佐健太郎さん(36)は「世界に通用する味が目標だった」と受賞の手応えを語る。現在は輸入に頼るジュニパーベリーの木を今年、自社の畑に植えた。将来は100%鹿児島産の材料でジン造りをめざす。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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