岡山県新見市哲多町蚊家(こうのいえ)の市立新砥(あらと)小学校で15日、華道家の假屋崎省吾さんによるオンライン生け花授業があった。参加した全校児童35人のほとんどは、花をいけるのは初めて。最初は緊張した様子だったが、假屋崎さんの画面越しの助言を聞きながら、すぐに「マイ生け花」の世界に没頭。30分ほどで、個性あふれる華麗な作品を作り上げた。
新見市は西日本最大のリンドウ産地。新砥小の子どもたちは「ふるさとキャリア教育」としてリンドウの栽培や収穫、出荷などを学ぶ。假屋崎さんは来春、新見美術館(同市西方)で展覧会の開催が決まっており、双方の「花の縁」で授業が実現した。
花材には地元産のリンドウを中心に、児童らが摘んだワレモコウやススキ、コスモスなど秋の草花を使った。假屋崎さんは、立体的にする▽素早くいける▽根元のスポンジ部分を見えないようにする――などのコツを説明。「一番大切なのは『花は美しいな』と感じる素直な気持ちです」と語りかけた。
できあがった作品は華やかだったり、上品だったり。初心者とは思えない出来栄えで、中にはススキの葉がワイルドに突き出すなど独創的な作品もあった。
最後に假屋崎さんが、リンドウを手早くいけてみせると、子どもたちは息をのみ、真剣に画面を見つめていた。
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「華道家・假屋崎省吾の世界―美来麗明」は2021年4月16日~6月27日。関連イベントとして同年6月中旬、リンドウの出荷が始まる時期にトーク&デモンストレーションも予定している。(中村通子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル