停滞する環境対策 変化の好機にできるか 識者に聞く

■エコとコロナ㊦

 2020年は地球温暖化の国際ルール「パリ協定」の本格運用開始や生物多様性保全の次期目標の設定など「環境のスーパーイヤー」です。ですが、新型コロナウイルスの影響で国際会議は軒並み延期になり、足踏み状態に。コロナ禍のもと環境問題にどう対応すべきか、3人の識者に聞きました。(水戸部六美、小坪遊

人と自然の適切な距離 保って 日本自然保護協会・道家哲平さん

拡大する日本自然保護協会の広報会員連携部長の道家哲平さん=本人提供

 ――新型コロナは何らかの野生動物が感染源と考えられています。

 「これまでもSARS(サーズ)(重症急性呼吸器症候群)や鳥インフルエンザなど人獣共通感染症が世界に広がった例はありましたが、その広がり、影響度は年々大きくなっています。今度こそ、しっかり学ばないと第2、第3のコロナに対応できないと思います」

 ――背景には何があるのでしょうか?

 「森林破壊や野生動物の違法取引、野生動物の肉を食べる『ブッシュミート』の拡大で、人と野生動物が接触する機会が増えました。食肉の広がりで家畜も急増しています。今後、野生動物から家畜、人へという感染ルートも出てくるでしょう。さらに近年、途上国から先進国へ、ものや人の動きが相当大きくなり、感染症も急速に世界に広がるようになりました」

 ――先住民などブッシュミートを生活の糧にしている人々もいます。

 「伝統的な利用ではない、開発…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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