全国で家庭用磁気商品のオーナー(販売預託)商法を展開した「ジャパンライフ」(東京、破産手続き中)による詐欺事件で、元会長の山口隆祥(たかよし)容疑者(78)=詐欺容疑で逮捕=が同社の粉飾決算を指示していたとみられることが、朝日新聞が入手した内部資料でわかった。事業年度の黒字額について最初に結論を決め、部下に株主総会などで示す決算書類を作らせていた。
内部資料は2016年3月期決算を巡り、山口容疑者が会計担当者とやり取りした資料。同年5月23日付の「決裁書」で、最終損益について、会計担当者が5千万~3億円の幅で7通りの黒字額の案を示し、「着地とするべき金額の御決裁をお願い致します」とのコメントを添えていた。山口容疑者の判断は「2・5億円」で、決裁欄に押印があった。
3日後に作成された「決裁書」では、同じ担当者が山口容疑者の判断について、納税額が大きくなるため「資金面で大きな負担となる可能性がある」と指摘し、「1・8億円とすることの御決裁を改めてお願い致します。経常利益は3・2億円になる見込みです」などと上申していた。決裁欄には山口容疑者と、共犯として逮捕された次女で元社長の山口ひろみ容疑者(48)の押印があった。
同社が翌月の株主総会で報告し…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル