元保護者会長、２審でも無罪主張　千葉女児殺害、控訴審初公判　父「早く死刑判決を」（産経新聞）

　千葉県松戸市で平成２９年、市立小３年だったベトナム国籍のレェ・ティ・ニャット・リンさん＝当時（９）＝を殺害したとして、殺人や強制わいせつ致死などの罪に問われ、１審千葉地裁の裁判員裁判で無期懲役を言い渡された元同小保護者会長、渋谷恭正（やすまさ）被告（４８）の控訴審初公判が２６日、東京高裁（平木正洋裁判長）で開かれた。弁護側は改めて無罪を主張し、検察側は死刑判決を求めた。

　閉廷後、リンさんの父親のレェ・アイン・ハオさん（３７）が東京都内で記者会見し「裁判所には死刑の判決を早く出してほしい」と訴えた。

　ハオさんは、渋谷被告について「最後まで（罪を）認めず、『犯人ではない』と言って謝罪もしない。反省もしていない」と批判。「裁判では渋谷被告に直接質問もできず、リンちゃんのために何もできないことが自分にとって、とてもつらい」と悲痛な胸の内を明かした。

　出勤時にリンさんの同級生が登校する姿を見たときのことを振り返り、「どうしてリンちゃんは学校に行けないのか」と言葉を詰まらせる場面もあった。

　ハオさんは渋谷被告に極刑を求める約１３５万５０００人分の署名を街頭やインターネットで集め、この日午前、東京高検に提出した。

　１審千葉地裁判決は、遺体の付着物から被告のＤＮＡ型が検出されたことや、被告の軽乗用車に付いた血液のＤＮＡ型が被害者の型と一致したことなどから、弁護側の無罪主張を退け、被告を犯人と認定した。

　検察側は死刑を求刑したが、判決は「殺害に計画性がない」などとして極刑を回避。検察、弁護側双方が控訴していた。

　１審判決によると、２９年３月２４日、登校中のリンさんを軽乗用車に乗せて連れ去り、わいせつな行為をした上、首を圧迫して窒息死させ、千葉県我孫子市の排水路脇に遺棄した。